10.26.2015

晩秋のNICE CLIMBING☆

積雪期の下見のため、阿弥陀岳北西稜へ行ってきた。
山行前にwebでいろいろと調べたんだけど
積雪期にくらべると無雪期の記録は数えるほどしかなかった。
それでもグレード的には大したことがない(?)ようだったので
「何とかなるっぺ」ということで、かずちゃん、よっしーと僕の3人でトライ。
でもフタを開けていれば、まー厳しかった!
かずちゃんが終始リードしてくれた。アザーッス!
よっしーは初のアルパイン。がんば!





入山日はド快晴でポカポカだった。
行者小屋で乾杯して、テントをおっ立ててから宴会。
ちょっと寒かったけど、屋外のテーブルで鍋をつつき、
テント内に河岸を移して20時頃までドンチャン。
ちなみに、行者小屋へ到着してすぐ生ビールを飲んでるときが一番寒かった(笑)

ヤマテンでは夜半に一時雨か雪になり、朝から強風との予報。
その予報通り、寝ていると雨がテントを叩きうるさかった。
途中23時過ぎに小のためにテント外に出てみると、テン場はガスで真っ白。
朝になると回復するやろうと、再び寝袋に潜り込んで4時30分まで横になっていた。





2日目の朝。赤岳をはじめ、山々の頂はやや白くなっていた。
ときおり上空からゴーッという風の音が聞こえてくるが、テン場はそれほどでもない。
天候は回復し、予報通りドピーカンの様相。





で、6時18分出発。せば、がんばっぺ!
当初の予定では、北西稜のすぐ東側の沢を詰められるだけ詰めて
小ピーク手前の標高と同じぐらいになったらトラバースして尾根に上がるつもりだった。
しかし、沢は倒木がいっぱいで超歩きにくかったので、
途中から急斜面を強引に登り尾根を目指すことに。
この登りが超しんどかった(笑)




8時過ぎに小ピークに到着。
森林限界を超えたあたりから強風の洗礼を受ける。 超寒いぜ☆
小ピークから1ピッチ目となるボルトテラスまではノーロープで進む。
途中からリッジ右斜面の草付きとなる。今回は雪がなかったので何ともなかったが、
積雪具合によってはちょっと嫌らしくなりそうな個所だね。





1ピッチ目取付となるボルトテラスで休憩&エナジーチャージ。
岩稜の東側は風が弱く、陽も当たってあたたかい。ホッとするね〜。
ここで僕はダウンをカッパの下に着込んだ。
 ↑1ピッチ目のアンカー




1ピッチ目
アンカーから岩稜帯右側をトラバースして、後半に岩場を登る。
トラバース部は、結果的にアンザイレン程度で進めばOKだったと思う。





 2ピッチ目
1ピッチ目より傾斜がきつくなるけど、まあ無問題。
横岳、硫黄岳もキレイだ。
写真ではド快晴で快適そうに見えるが、どエライ強風で超寒かったのよorz




3ピッチ目
このピッチが核心。
かずちゃんは出だしを少し登ったあたりでちょっと躊躇。
このとき「登れないかも知れない」と、ややパニクってたという。
いったん下がって再トライすると、なんと割れ目に残置カムを2個発見!
ファーストトライのときはパニクってて見えなかったんだって。
で、そのカムにイージーデイジーをかけ、エイヤとクリア。
3ピッチ目の上部もダマしダマしクリア。
僕はサードだったにも関わらず、3ピッチ目はかなりビビった。
たぶん僕とkkだけだったら撤退していたと思う。
スゲーぜ、かずちゃん! 漢だぜ、かずちゃん! アザーッス☆

<追記>
僕らは3ピッチ目を右へ巻いて、凹角を直登したが、
このルート以外にも複数のルートがあるようだ。
冬期は、第2岩稜基部をまず左へ巻いて、やや右へ岩を乗越し、
その後に現れるスラブをA0 or A1で登るというルートを選択することが多いみたい。

今回も事前にA1のスラブがあるという情報を得ていたが、
僕たちのとったルートでは「どこがスラブ?」ってな感じだった。
帰宅後に調べてはじめて、今回のルートがスラブA1ルートと異なってることに気付いたわけ。
いかんね。




 3ピッチ目にトライ中のよっしー。超ビビったらしい(笑)
↑3ピッチ目から振り返って
一番下写真の2本目ヌンチャクの左クラックに残置カムが2個あった(と思う)。
サードながら僕もビビっていたので、写真を撮る余裕がなかったんですorz
たぶん素手で登ってたらそれほどではなかったと思うんだけど、
手袋を外したら一発で手がかじかんでしまうので、外したくても外せず…。




3ピッチ目を終えて
ちなみに、3ピッチ目でかずちゃんをビレイしていたとき、僕は
「かずちゃんが落ちても場所的にも風的にもヘリは呼べんな〜」
「担いで降りるのはめっちゃ難しいやろな〜」なんてことを考えてますた(笑)
ゴメンね、かずちゃん♥




摩利支天南側のポカポカゾーン♥生き返るわ〜
3ピッチ目を終えて、少し登ったところで座り込みひと息つくも
全リードをしてアドレナリンを出し切ったかずちゃんは「寒くて死にそう」と。
「こりゃまずい」と、ゼーハー言いながらも風が当たらない摩利支天南側へ移動。
まさに地獄と天国!
先ほどまでの強風がウソのように風が当たらず
僕らを陽が正面からガンガンに照らしてくれて暑いくらいだ。
そう、太陽は偉大なのだ☆
ここで大休止し、エナジーチャージ。眠いな。




あとは降りるだけなんで流す。
 ↑ポカポカ天国ゾーン(笑)
↑南稜。青ナギが特徴的だね
 ↑お約束その1
 ↑お約束その2
お疲れちゃん☆






さて、今回の総括。
繰り返しになるけど、クライミングとしてはグレード的には大したことがない。
って、サードだった僕がいうのもなんだけどね(^_^;

今回、僕らを一番苦しめたのは「強風」だ。
気象庁のウィンドプロファイラで調べてみると、25日の標高3000mの風速は、
06時◎20m/s
09時◎27m/s
12時◎19m/s
※気象庁ウィンドプラファイラ/平成27年10月25日 河口湖参照
クライミングをスタートした9時頃で、風速27m/s。
標高が若干低いことを加味しても、20m/s程の風は吹いてたんじゃないかな。
9時の段階の気温は0℃前後、ハイドロのチューブが凍って使い物にならなかった。
つまり体感的には−20℃ってことかい。
そりゃ寒いわけだわ(笑)

風が強く超寒かったため
速く岩稜帯を抜けなくてはいけないという心理がパーティ全体に働いた。
その焦りから、精神的な余裕がなくなり、余計に難易度が高く感じたんだと思う。
また、経験的な感覚なんだけど、強風にやられると体力をかなり消耗する気がする。
たぶんだけど、これがポカポカだったらそんなにヤヴァいとは感じなかっただろう。
まあ、無事にクリアできたので今回は“いい経験”だったとしたいところだが、
もうチト慎重にならなければいけなかったと反省しきり。


体感温度−20℃ということは、
つまり、冬期なみの服装を備えておく必要があるんじゃないかな。

にも関わらず、今回の僕の服装は
 <上半身>
・ファイントラック「スキンメッシュ ノースリーブ」
・アイスブレイカー「ウール長袖クルーネック260」
・マウンテンイクイップメント「エクリプス フーデッドジップティー」
・マムートのカッパ
※クライミング時に薄いダウンをカッパの下に着た
<下半身>
・夏用のロングパンツ
・カッパの下
・夏靴
<手袋>
・テムレスのインナーボア付き

ちなみに冬期なら
<顔>
・バラクラバ
・ネックゲーター
<上半身>
・ファイントラック「アクティブスキン ロングスリーブ」
・アイスブレイカー「ウール長袖クルーネック260」
・パタゴニア「R2ジャケット」
・ホグロフス「スピッズジャケット」
※クライミング時のビレイ用ダウンに、ノースフェイス「ビレージャージャケット」
<下半身>
・化繊のパッチ
・ノースフェイス「アルパインパンツ」
・ゲーター
・冬靴
<手袋>
・インナー手袋
・ブラックダイヤモンド「スーパーランブラ」
という感じ。完全にナメてますた…orz




以下、自分用。
・体感温度0℃以下なら真冬の装備を検討。待ちがあるアルパインなどの場合は即真冬装備
・体感温度-5℃以下なら真冬装備(かな?)
・ゲーターは寒さ対策にも有効(足首から熱が逃げるのを防ぐ)
・ダブルはビレイヤー2人で
・パーティでクライミングの装備を用意するとき、リードに必要なギアを渡す(相談する)
・岩の場合、手袋はやっぱりジャストサイズじゃないといかん
・岩の場合、カメラはやっぱり邪魔になるからいかん
・モツ鍋はうまい。ニンニクさいこー☆
・アルパインはPASではなくイージーデイジーがよし




ということで今回はこれにて。
かずちゃん、ホントありがと☆ 超楽しかったね。
これからもリードよろしく(笑)

よっしー、今度お疲れ会やろまい! おごりでね♥

せば。



出典◎地理空間情報ライブラリー
http://maps.gsi.go.jp/#17/35.976061/138.358222付近を切り取り加工
上記MAPは、GPSのログと撮影時刻を照らし合わせて、各位置を割り出した。
間違っている可能性もあるので参考程度に。

<2日目CT>
06:18 行者小屋出発
06:31 北西稜への分岐
08:05 小ピーク
08:28 ボルトテラス(1ピッチ目取付)到着
 休憩

<クライミング>
09:00 1ピッチ目スタート
09:25 2ピッチ目
09:40 3ピッチ目
10:10 3ピッチ目終了
<クライミング終了>

10:20 摩利支天南側付近
 休憩
10:45 摩利支天南側出発
10:52 阿弥陀岳
10:56 阿弥陀岳出発
11:36 行者小屋着






















てか、積雪期に行けるのかい、わし?
雪が凶と出るか、吉と出るか。


10 件のコメント:

  1. 晩秋のclimbingお疲れ様でした!
    最後の核心はマジビビりでしたよ(^^;;
    まだまだ修行が足りませんね笑
    厳冬期もしタイミングが合えば是非とも御一緒願います。その時はとっても惜しいですが、リードはお譲りしますね笑
    っていうか?積雪期ほんとにやれるんだろか?

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    1. かずちゃん、お疲れ&ありがと☆
      毎回毎回、自分の力のなさを思い知らされるわけで(笑)
      今日webを見てたんだけど、
      厳冬期は岩稜エリアもそうなんだけど、その前に激ラッセルの場合もあるみたい。
      とりあえず伊吹山行くっぺか?

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  2. おいらは遠慮しといたほうがよさそうだなw

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    1. ウーム、ワシも行けるかどうか分からん(笑)

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  3. 積雪期の下見に行ってきたのね(*^_^*)

    かなり寒かったみたいやなぁ〜

    積雪期は行ってダメなら早めの撤退判断だけがポイント、だい達なら大丈夫なんちゃうかぁ(^_−)−☆
    で……………
    PASよりイージーデイジーの方が使い勝手良いの!?

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    1. ひろくん、まいど☆

      PASは22kNのチェーンが連結しているだけだけど
      イージーデイジーは片方を引っ張ると長さが調整できるので(かつテープがロックされるので)
      アッセンダー的な補助として使えます。
      今回の場合は、残置カムにイージーデイジーをかけて、
      片方を引っ張りながら体を持ち上げたのだと思います。
      エイドの練習のときにもイージーデイジーが体を持ち上げる補助的な役割を果たしました。

      なかなか文章で説明しにくいんだけど、
      体を持ち上げる際にはPASは役に立たず(てか、そもそもそういう想定のギアではない)、
      イージーデイジー(またはペツルのアジャストシリーズ)が役に立ちます。

      また会ったときにでも☆

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  4. えれぇこった2号2015/10/29 12:13

    みんなめっちゃかっこいい(((o(*゚▽゚*)o)))
    こんな風に、岩場を登れたら楽しいだろうなぁって!!
    親方がビビる位だから、かなり難しいルートなんでしょうね。
    今回はKKはお留守番????
    年末に登るの楽しみだねぇ〜♪

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  5. kaka、まいど☆

    楽しかったけど、超寒かったです(笑)
    登攀の難しさよりも寒さがヤバかったですわ。
    kkは仕事のため参加できずでした。
    年末、登れるかな〜??

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  6. ヨコから失礼!
    僕は寒さより最終ピッチの核心のがヤバかった(^^;;

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    1. そやね(笑)
      だってリードだもん!
      いつも感謝多謝でございます<(_ _)>

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