9.20.2016

御在所Crymbing


親方と今季の目玉! と考えていた屏風岩へ行くつもりだった。
横尾をベースにして2泊3日でのんびりトライする予定だった。
土曜日に横尾入りして、T4へ偵察&横尾で前夜祭ドンチャン。
で、日曜日に雲稜ルートをピストンした後、後夜祭ドンチャン。
月曜日は惰眠をむさぼり適当に撤収、という夢のようなプラン。
のはずだった……。

予想以上に天候の崩れが早まり、1泊2日の方向で調整するも、
結局は直前になって泣く泣く計画変更となったわけでして…orz。


せば、どこ行くっぺか? ということでいつものホームへ(笑)

僕らの気持ちも天気も泣きの御在所Crymbingら〜





金曜夜、北へ走らせるはずだった車を西へと進路変更させ、
裏道登山口で残念会ドンチャン。
時折、夜景を見にくるカップルやグループがちらほら。名所なのか?(笑)




で、翌朝。とりあえず中尾根ルートを攻めるべく、裏道をゆく。
この頃はまだ晴れ間も見えていたが、徐々にガスが濃くなっていくのであった。
一の壁。
ソロクライマーがひとり取り付いているだけ。
壁はなんとなくしっとりしていて滑りやすそうだった。



バットレス基部あたりからモンキーフェイス。
ここはまだムリっす。



中尾根はとりあえずP4の2ピッチ目からスタート。
予定ではP2途中までやって、その後、山渓ルートを2ピッチ、一の壁、前尾根のつもり。
P3をリードで攀じる親方。
微妙に岩が湿っていて、ワカメ&ノリスケ攻撃を受ける(笑)
乾いている状況よりも難しく感じるが、2回目なのでちょっと余裕があるね。



P3最後は僕がそのまま登り切る。
ワレメを通過中の親方。生まれるか?(笑)



P3からP2基部まで懸垂下降。



P2基部。まっしろけら〜!




前回の中尾根トライで撃沈したP2をリードでトライ。
2ピン目が遠くて手が届かないので、迷わずインチキフィフィを投入してクリア。
やっぱり道具ですよ(笑)
3ピン目から先はフリーで左上。
スラブ面に乗っかり、途中のクラックにカムを決め終了点へ。
写真は親方がセカンドで上ってくるところ。



当初は上記のP2途中で降りてくる予定だったが、
まあ行っちゃおうかということで、親方リードでP2上部へ。
前回もそうだったけど、最後の最後がキビしい。
しかも岩が滑るので超ビビる。チキンのワシはここのリードムリかな〜。



で、P2を終えて懸垂でP4中間テラスまで戻る。
つもりが、ガスが濃くてルートが分からず、P4の1ピッチ目取付まで降り過ぎてまった。
前回はフリーで登れたが、今回はホールドがスベスベで文字通り手も足も出ないorz
リードで登りながらどうすっぺかな〜と焦る。
そうだ、僕らにはアブミという強い味方がいるじゃまいか!
ということで、カムを決めてアブミをセットし、なんとか登り切ることができた。
ここが一番しんどかった〜orz。





ザックをデポしてあったモンキーフェイス上部まで戻り、とりあえず腹を満たす。
予定では山渓ルート&一の壁もやるつもりだったが、中尾根だけでお腹いっぱい。
雨もぱらつき、僕としてはなんとなく藤内小屋へ戻る方向に傾いていたが
「予定通り前尾根でビバークすっぺ!」という親方の一言で、前尾根へ向かう。

中尾根はザックをデポして登ったが、前尾根ぐらいはザックを背負って登らねば!
ジャンケンをして親方リードでP7へ取り付くも、「滑って登れん〜」と親方の悲痛な声。
そんなときは、僕らにはアブミという強い味方がいるじゃまいか!
ということで、P7をはじめて人工で登った(笑)
その後は時間に余裕があることも手伝って、P6、P5、P4をダラダラと登る。
記憶ではたしかP4を越えたところにビバーク適地があったように思っていたのだが
ドームシェルターを張れるようなスペースはなかったorz。
とにかく先に進むしかないんだけど、腹が減ってたので行動食を食いながら休憩。
休憩後、ヘッデンをヘルメットに付けP3へGO!


P3の1ピッチ目を終了したところに適地発見!
しんどかった〜。






親方、なんか顔が疲れてるね(笑) あ、ワシもか(笑)
担ぎ上げた唯一のビールで乾杯☆ 悔やまれるはウイスキーを忘れてきたことだ。
日本酒をなめるようにツマミを口にしながらチビチビ飲むも、
500mlなんてあっという間になくなるわけでして。
起きててもすることがないので、19時半頃には早々に横になった。

今回は軽量化&ビバークを想定して、マットとシュラフは藤内小屋へ置いてきた。
マット代わりにロープをしいて寝転んでみると、殊のほか快適やん!
と思いきや、しばらくすると体中が悲鳴を上げはじめる。
どんな体勢を取っても地面と接する部分が痛いのよ。
しかも途中から雨が激しくなり、うるさくて眠れんorz。
それでもふたり無言のまま、寝返りをただただ繰り返すのみ……。

ドームシェルターは耐水性が低く雨漏りを心配していたが、とりあえず大丈夫だった。
もちろん内部は結露し、シェルター内のすべてがなんとなく湿っている。
途中で寒くなったのでカッパを着用すると、濡れもそれほど気にならなくなった。
今回は気温が低くなかったのでなんとかなったが、
もっと寒ければ厳しいビバークとなったと思う。
まあ、結果オーライということで(笑)



そうそう、
屏風岩雲稜ルートは、今回の装備では重量オーバーで登れなかったと思われる(自分的に)。
屏風の頭へ抜けるにはさらなる軽量化の必要性を痛感した。
もしくは、ベースをつくり、最終ピッチから懸垂でピストンするのが妥当だろう。



親方、ありがとうございました。
屏風は残念だったけど、泣きの御在所Crymbingは
ある意味有意義なプラクティスになったね。
来季またがんばろまい☆






●以下、備忘録
<衣服装備>
インナー手袋、テムレス薄、長袖T、フリース、カッパ、ダウンJKT、ダウンPNT、予備靴下

<登攀装備>
ロープ(ダブル50m)
ヘルメット
シットハーネス
チェストハーネス
チョーク
ヌンチャク(8本/うちアルパイン2本)
ビレイディバイス
予備ビレイディバイス
アンカー用環ビナ(大2・小2) ←大1・小3に変更しよう
予備環ビナ(大1)
アンカー用スリング120(2本)
240スリング(1本)
懸垂用捨て縄6mm/3m
懸垂バックアップ用スリング
カム(2個)
アッセンダー
タイブロック
ナイフ
イージーデイジー(環ビナ付き)
インチキフィフィ
アブミ(2本)

<その他装備>
ガーミン
地図
コンパス
ライター
ザックカバー
携帯電話
予備バッテリー・電池
ヘッデン
ファーストレスキューキット

<巣>
テント(モンベル Dome Shelter)
ツエルト(小屋にデポ)
シュラフ(小屋にデポ)
エアマット(小屋にデポ)

<飯用>
コッフェル大(1300ml)
コッフェル小(900ml) ←いらんかった。次回から削除
ガス大
ガス小(親方)
バーナー
予備バーナー
水プラティパス2L
水プラティパス1L

<飯類>
ラーメン1袋
ツマミ
行動食(2日分)
非常食



●屏風岩備忘録(事前の想定)
当初目指した東壁雲稜ルートのグレードはこんな感じらしい。

<T4尾根>
1P:Ⅳ(30m)
2P:Ⅴ-(40m)
3P:歩き(100m)
4P:Ⅲ(40m)

<雲稜ルート>(D・K)はリード
1P(D):Ⅴ(5.7) 
2P(K):Ⅴ(5.7) 
3P(D):Ⅴ+(5.8) 
 扇岩テラス
4P(K):A1(5.11+)
5P(D):Ⅳ+(5.6) & A1
6P(K):Ⅴ+(5.8)
7P(D):Ⅳ(5.5)
8P(K):Ⅲ(5.4)

●TSはこんな感じを想定
05:10 さわんどBT
05:40 上高地BT着
06:00 上高地BT発
08:00 横尾着
08:15 横尾発
09:45 T4取付
 <2時間予定(ギア準備含む)>
11:45 T4(雲稜ルート取付)
12:05 雲稜ルート登攀開始
 <6時間予定>
18:05 雲稜ルート登攀終了

19:05 屏風の頭(ビバーク)
<約13.5時間行動の予定>

↑※たぶん見込みが甘いと思われる。


8 件のコメント:

  1. 残念だったけど、前向きに考えると良い経験になりました。

    あの重量で屏風を1日で抜けるのは多分今の我々では無理でしょうね。

    屏風は来年に持ち越しになってしまいますが、来年までに更に力を付け再度トライしましょう!

    きっと今回は山の神様がお前らにはまだ早い。
    ってことなんでしょうねw

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    1. お疲れっした☆
      仰るとおり、屏風はザンネンだったけど
      今回は今回でいい経験になったね。
      来季またトライしよまい!
      でも、マットとウイスキーは必携か(笑)


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  2. えれぇこった2号2016/09/23 9:29

    屏風岩残念でしたね!
    totoちゃんと、このお天気だけどもしかして行ったかな?行ってないよね?って話してました!!

    当然きちんと天候チェックをdai話してましたするから大丈夫!!
    装備やシステム、計画等全てにおいてdaiは信頼出来るからって
    岩に取り付いてもしか安心して登れるからって。。。私では怖いらしい(>人<;)
    ↑私のビレーでよう登ると感心してましたが、最近きちんと講習受けてくれと嘆願されました!!

    あぶみは何時もヘッドに入れてるけど、今回はあぶみが大活躍でしたね!

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    1. kaka、まいど☆

      ご心配をおかけしてスンマセン<(_ _)>
      kkにメールも頂戴していたみたいで、お気遣いありがとうございます。

      記事にも書いてるけど、出発のギリギリまで迷ってて
      「とりあえずT4取り付きまで偵察に行ければOK」てな気持ちも少しあったんだけど
      結局はいつものホームでの練習となりました(笑)
      結果論になってしまうけど、ぶっちゃけ屏風は、僕にはチト早かったかも知れません。
      今回、ザックを背負っての前尾根でもヒーヒー言ってたくらいですからorz
      アブミ、大事です(笑)

      totoとkakaのガイド沢遡行を拝見。水量がハンパないね!
      ひろくんもすごいけど、kakaもよー行ったね!スゲーよ☆

      ひろくんのブログにハンマーのことが書いてあったけど
      知識としては知っていても、現場で試してみると上手くいかないことがママあるよね。
      ハンマーやロープワークに限らず。
      個人山行ではセーフティのマージンを考えるとあまりムリできないけど
      安全を担保しながら、より実践的な経験ができるガイド講習は有意義だね!

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  3. えれぇこった2号2016/09/25 13:48

    daiちゃん
    今回の滝はちと怖かったです!
    水圧が半端なくて、ヌンチャク外すだけでもヒヤヒヤだし
    カムとかハーケン全く見えなくて、良くこの水流の中セッティングしたと
    totoちゃんには感心しました!!
    舟橋ガイドが側で待機してるんで、安心するのと同時に緊張しましたね。

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    1. kaka、まいど☆
      ブログを見ているだけで
      水の勢いがスゲーってことが伝わってきました。
      やっぱり現場でいろいろと試すことが大切やね〜!

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  4. 屏風は結果的に残念やったけど天気やから仕方ないかなぁ~
    もしかしたらワンチャンスで突っ込んでるんちゃうかなぁ~ってちょっと心配しててん。
    まあ2人やったら麓まで行ってても冷静な判断が出来ると思うんやけどね............
    でも、我々も8月末から北鎌の予定が三回天候でアウト(*_*)
    この9月はほんま酷い天気やもんね。
    前みたいに雨が解ってても突っ込む事は止めてすぐ中止か延期にするようにしてるから我々もよく予定通りいかない事多くなったわ(@_@;)
    でも御在所でも十分楽しみ且つ練習になったようで何よりやん!
    フォローはまあ良いけどリードがザック重かったら引上げたら良かったのに............(~_~;)

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    1. ひろくん、まいど☆

      せめて土曜日が雨じゃなかったらGOしていたと思います。
      でも、たぶんT4を登ったところでザックを背負って屏風をやるのはムリってことになり
      ピストンに切り替えていたことでしょう。

      9月はほんとひどかったですね〜。
      僕はこれから10月中旬まで休みが取れないのでアレですけど
      秋雨前線&台風がなんとかならんかな〜。

      ザック引き上げも練習しておいた方がベターでしょうね。
      1箇所P6のチムニー先で引き上げましたが、距離が短かったのでゴボウでやりました。
      距離が長く、ザック重量も重ければ、
      時間は掛かるけど1/2または1/3システムじゃないとシンドイかも知れませんね。





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